二度あることは三度ある『建築知識』の猫特集号、今度は世界の猫の家
二度あることは三度ある、そんな三度目の正直はワールドワイドであります。
このお知らせを聞くと「今年も春が来た」などと思うようになりつつある、毎度おなじみ『建築知識』の猫特集号が今年も登場です。3月20日に発売となった2019年4月号の特集は「海外に学ぶ猫のための家づくり」。2017年1月号「猫のための家づくり」、2018年2月号「20歳までネコが元気で長生きできる住まい」に続く第三弾の表紙はご覧の通り、今年の表紙デザイントーンに則したかわいくファンシーな猫と暮らす家であります。
内容のほうは、犬よりも猫の飼育頭数が圧倒的に多いドイツの猫ハウスや、猫カフェ発祥の地・台湾のキュートなキャットウォーク事例、部屋の広さにものを言わせたアメリカの壁面ブックシェルフ&キャットウォークなど、日本国内ではなかなか見られない猫と共に暮らす家の事例が満載。「猫と暮らすために家を買う・建てる」という選択肢を提示した前々回・前回の猫特集から一歩踏み込み、「猫と暮らすために海外に移住する」という選択肢を提示しております。
第1弾は1月、第2弾は2月、そして第3弾の今号は4月と、体内時計のリズムが25時間であるかのごとく、徐々に製作期間も長くなっていますが、無理に前年と同じ月に合わせず製作されたということは、その分内容も濃くなったものと思われ、建築雑誌の編集能力を猫方面へとぶん回したシリーズの最新号は、今回も読者の期待を超えるクオリティであります。
なぜ世界に目を向けたのか、いや、向けざるを得なかったのかと推察しますと、編集能力を猫方面へぶん回した結果、国内の猫建築事例はあらかた収集し尽くしたものと考えられます。七つの海を越えて収集せられた海外猫ハウス事例が、こうして日本にいながらにして、スマホやPCで検索した結果を選別することもなく、こうして優れた事例のみ見られる触れる時代になったわけでありまして、感涙にむせびながらポチる衝動を禁じ得ません。
またもうひとつ気づくのは、日本の猫ハウス事例に見られる、日本人ならではの猫への配慮と工夫であります。お世辞も世界的な平均よりも広いとはいえないであろう日本の住宅事情という制約の中、飼い主さんや建築デザイナーが猫のことを考え考えあぐねてもう一段考えた末に行き着いたアイデアは、世界の猫ハウスと比べても胸を誇るべきものであると思われるのであります。自分がやったわけではないのに、なぜか鼻高々な気分であります。
気になるお値段は、税込1680円。海外に足を運ぶのに比べれば、スカイライナーのライナー券と空港の立ち食い蕎麦くらいの値段だと考えたら妙におトクに思えるような気もしなくもないかもしれません。たぶん気のせいでしょうが。
[『建築知識』19/04 海外に学ぶ猫のための家づくり/エクスナレッジ]
建築知識2019年4月号
Source: 猫ジャーナル